抗うつ剤はお薬によって効果が変わる

抗うつ剤はお薬によって効果が変わる

前回の記事では、女性とうつ病の関係を紹介しました。
女性の方でまだ読んでいない方は、ぜひ一読して頂けると幸いです。

前回の記事はこちらから。

ざっくり要約すると、女性はホルモンバランスによってうつ病を発症し、女性特有のPMDDや更年期うつがあるというお話でした。

今回は、より抗うつ剤のことを深く知ってもらうためにお薬の効果に関して紹介していきます。

第1回の記事でも少し紹介したように、抗うつ剤は主に5つの種類があります。それぞれ効果が異なるため、自分に合ったお薬を使う必要があるというわけなのです。
難しい話ではありますが、医学的な知識を把握しておくことで、うつ病という病気に対抗する術が発見できることもあるのですよ。

抗うつ剤の種類・効果の違いについて

抗うつ剤の種類

抗うつ剤は、SSRIとSNRI、NaSSA、三環系抗うつ剤、四環系抗うつ剤と5つの種類があります。
第一選択薬として処方されるのはSSRI、またはSNRIです。

抗うつ剤は、脳内物質であるセロトニンに働きかけます。
セロトニンは医学知識がない方でも一度は耳にした事がある名称ではないでしょうか?
幸せホルモンとも呼ばれていますね。
うつ病を発症する人は、このセロトニンが不足している状態であり、落ち込んだり強い不安といった症状がでるのです。
基本的な作用として、まずはこのセロトニンの分泌量を増やすように働きかけます。

また、セロトニンとは別でノルアドレナリンという物質の不足もうつ病を誘発する原因となります。
抗うつ剤の中にはセロトニンとノルアドレナリン、両方に対して分泌を促すように働きかけて、落ち込みや不安感だけでなく意欲や活動性を向上させるように働きかけます。

上記の点を踏まえてうえで、それぞれの効果の違いをチェックしましょう。

・SSRI=セロトニンだけに作用

・SNRIとNaSSA、三環系抗うつ剤=セロトニンとノルアドレナリンに作用

・四環系抗うつ剤=ノルアドレナリンだけに作用

大まかな分類はこのようになります。
もちろん薬の強さで判断するなら、また分類が違ってきます。
現段階で一番強いといわれているお薬は、NaSSAと三環系抗うつ剤です。

「効果が感じられない!」お薬を変えるのは可能?

抗うつ剤を変える

万が一、効果が感じられない!という事態に陥ってしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか?
お薬も患者さんそれぞれに対して相性があります。
たとえば、あの薬は効かないのにこの薬は効いたという状況ですね。

ただ、抗うつ剤の効果の発現時間、または期間に関しては即効性は望めないということを把握しておきましょう。

抗うつ剤は風邪薬や痛みどめのように、その日に1錠飲めば効くというお薬ではありません。
効果を実感するまでに最低でも4日はかかります。
4日で効果を発揮するといわれているのは、四環系抗うつ剤です。
その他のお薬は服用してから早くても5日目、長くて2週間以上かかる場合も。

医療機関では6~8週間ほど処方を続けてもなお、患者に効果が見られなかった場合は別の抗うつ剤に切り替えます。
効果をしっかり実感している場合は、そのまま処方しているお薬を出し続けるというわけですね。
そのため、自己判断でいきなり減薬をしたり、効果が感じられないからといって服用を中断したりするのはやめてください。

抗うつ剤でうつ病の治療をする際には、長期戦であることをきちんと覚えておきましょう。

抗うつ剤の効果で性格が変わる?

抗うつ剤と性格

抗うつ剤を飲み始めたあたりから、まれに急激に体調が回復する人がいます。
とても元気な状態になり、夜眠れなくてもOK!と人が変わったように快復する人も。
また、薬を飲み始めたあたりから今まで温厚な人だったはずが、ささいなことでキレたり、攻撃的になったりするケースもあります。
周囲の人からみると急に性格に変化が訪れているように見えるため、恐怖を感じさせてしまう場合もあるほどです。

性格に変化が訪れる理由としてあげられるのは、もともとこの人がうつ病ではなかったというケースです。
うつ病にはもうひとつ種類があります。
それは躁うつ病(または双極性障害)です。

気分が落ち込むといった症状に加えて、急に社交的になったり短気になったりと、感情の波に差がありすぎるうつ病です。
躁うつ病の治療薬は、これまで紹介してきたSSRIやSNRIといったお薬ではなく、気分安定薬や抗精神病薬が用いられ、作用がまったく違います。

そのため抗うつ剤のせいで性格が変わったというわけではなく、患者自身が躁うつ病であることにそもそも気づいていない、医者も判断が難しいということが問題点としてあげられます。

もし、ご家族や友人、または自分が抗うつ剤を飲んだ後に性格が変わっているような気がするという場合は、今までに気分が急に上がって下がってを繰り返した経験はないかと聞いたたり思い返してみたりしましょう。